2022/12/12 20:32


合成金属の一つ、真鍮(しんちゅう)。
別名、ブラスや黄銅(おうどう)とも呼ばれています。

身近なところでは五円硬貨にも使われており、その他にもドアノブ、蛇口、仏具、照明、アクセサリー、金管楽器など、日常の様々な場所で幅広く使われている素材です。

落ち着きのある金色が美しい真鍮の特徴としては…

1.熱による加工がしやすい
2.熱伝導率が高い
3.抗菌効果
4.腐食しにくい
5.比較的安価
6.経年変化

上記のようにいろいろありますが、特に【経年変化していくこと】がとても魅力的で、店主も仕入れの際に目に留めてしまうことの多い素材です。

真鍮製品は、皮脂や空気に触れることで酸化して黒ずんできたり、水に濡れることで緑青(ろくしょう)と呼ばれる人体には無害の青錆が発生します。

時間と共に変化していくことを楽しみながらも、もし気になるようでしたら、まずはお手持ちの歯磨き粉(できれば顆粒入りのもの)を布に少量取って磨き、仕上げにキレイな布で水拭きしてから乾拭きしてみてください。古道具の味わいを残しながら磨く方法としてはこちらがオススメです。

この他に、新品に近い状態になるようにもっとピカピカに磨き上げたい場合は金属用の研磨剤(ピカールなど)、キレイにしながらマットな質感にしたい場合は研磨パッド(#320番手相当)を使うなど、お好みの仕上がりに合せて試してみてください。


記事の最初に掲載した写真にある真鍮のスプーンは店主が自宅で愛用しているものです。

左側のスプーンはカトラリー入れに入れておいたもの、右側のスプーンはお砂糖を入れている容器に入れておいたもの。どちらも最初はピカピカの金色でしたが、使用から5年程が経ち、それぞれの置かれた環境でその表情も変化していきました。


変わりゆくことの美しさと共にお手入れも楽しみながら、お気に入りの真鍮の道具たちを末永くご愛用いただけたら嬉しいです。